心理検査の投影法とアセスメント:ロールシャッハ・テストとバウムテスト


ストレス、トラウマ、人間関係の悩みを抱える方にとって、まずは心理検査を受けて自分自身を分析することが、問題解決の糸口となるかもしれません。当カウンセリングルームでは、主にロールシャッハ・テストと描画テストを実施しています。ロールシャッハ・テストでは、図版を見て何に見えるかを答えていただき、描画テストでは、指定されたテーマに基づいて絵を描いていただきます。これらの検査を通じて、自己イメージや他者イメージ、感情状態、認知の歪み、ストレス耐性、情報処理の傾向、性格の偏り、さらには病的な要素や能力の強みと弱みなどを総合的に把握することが可能です。

 

検査結果は公認心理師が丁寧にフィードバックを行い、クライエントと共に結果を確認しながら、現状の理解を深めていきます。さらに、希望される方には、検査所見をお渡しすることも可能です。自己理解を深めるための第一歩として、心理検査を活用してみませんか?

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ロールシャッハ・テストとは?:心の内面を映し出すインクのシミ


ロールシャッハ・テストは、無作為に作られたインクのシミが何に見えるかを答えることで、被験者のものの見方や外界とのかかわり方を探る心理検査です。このテストでは10枚の図版が提示され、5枚は無彩色、残りの5枚は彩色されています。被験者がシミをどの部分に(反応領域)、何に見えるか(反応内容)、そしてどうしてそのように見えたか(反応決定因)を答えることで、心の内面を詳細に分析します。

 

検査結果は、反応構造と反応過程をもとに専門的に分析され、被験者の思考の傾向、感情処理の方法、外界とのかかわり方などが明らかになります。このプロセスを通じて、自己理解を深め、心の内面を知るための一助となります。

バウムテストとは?:樹木を通じて心の内面を探る投影法


バウムテスト(樹木描画法)は、描画法の一つで、被験者に樹木を描かせることで心の内面を映し出す心理検査です。コッホによって提唱されたこの投影法では、樹木が内なる心理状態を外に表現する特性を持つとされています。樹木は、心の内面と外面、深層と表層を混ぜ合わせた象徴として解釈されます。

 

描く行為自体には、受動的な投影を能動的な形成へと変える力があるとされ、描かれた樹木から感情状態や性格、認知の特徴が分析されます。バウムテストを通じて、被験者の心の奥深い部分にアクセスし、自己理解を深める一助となるのです。

 

トラウマケア専門こころのえ相談室

論考 井上陽平