シャーマニズムセラピーは、古代から伝わる伝統的な治療法と現代のトラウマケアを組み合わせた独自のセラピーです。このアプローチは、身体と心の回復を目指し、内面的な調和を取り戻すことを目的としています。セラピーでは、ピーター・ラヴィーン博士が提唱するソマティックエクスペリエンスの技法を活用し、身体に蓄積されたトラウマのエネルギーを解放していきます。
具体的な技法には、口の開け閉めや「ヴー」という特殊な呼吸法、目の動き、腕や足の動作といった方法が含まれます。これらの動きは、トラウマにより固まった体のエネルギーを解きほぐし、心と体のバランスを取り戻すためのものです。さらに、このセラピーでは、シャーマニックヒーリングを融合させ、ヒーリング音楽やリズムを用いることで、深層にあるトラウマの傷を癒していきます。
ヒーリング音楽や伝統的な儀式的な要素は、トラウマによる身体的なショックを和らげ、自然なリズムを取り戻すのに役立ちます。音やリズムは、心と体を結びつけ、自然な治癒力を引き出す重要な役割を果たします。これにより、トラウマによって生じた不調が、内面から徐々に解放されていきます。
シャーマニズムセラピーは、現代の科学的知識に基づく技法と、古代から受け継がれる精神的な癒しの力を融合させたアプローチであり、心身の調和を促進し、トラウマからの回復をサポートする効果的な方法です。
トラウマが引き起こすショックは瞬時に発生し、身体の神経系が追いつけないほどの速さで進行します。このため、トラウマを受けた後も、身体は不随意運動や痙攣といった反応を残し続けます。こうしたトラウマのショックを解消し、身体を回復させるためには、自分の身体の反応を観察し、丁寧に向き合うことが重要です。
たとえば、ピリピリした感覚、ブルブル震える感覚、痙攣、くすぐったい感じといった身体の反応を、ただ「感じていることを感じる」ことが大切です。こうすることで、無意識に閉じ込めていた緊張やエネルギーが解放され始めます。
セラピーのプロセスでは、身体に溜まった極度の緊張を緩和させるために、お香を焚いたり、シンギングボウルの倍音を聞くことで、脳や全身に心地よい波動を送り込みます。これにより、心と体が浄化され、内なるリズムを取り戻していきます。
さらに、目や口、肩、腕、足などを動かしながら、身体の動きを再び感じることが、トラウマによる凍りつきや虚脱状態からの解放に繋がります。このアプローチでは、身体に新たな体験を提供し、気の流れを整え、滞っていたエネルギーが解放されるのです。
身体と心が再び連携し、トラウマの影響から抜け出すためには、このような感覚と動作の回復プロセスが重要です。
口の開け閉めエクササイズは、顎の緊張を緩め、筋肉や神経の連鎖をストレッチすることで、深い緊張の改善に効果的です。この動作は、顎を引き、ゆっくりとリズミカルに行うことで、身体の感覚に意識を向けやすくなります。
特に立った姿勢で行うと、身体のバランスを取ろうとするため、身体感覚への気づきが高まりやすくなります。座った状態では、力が入りにくく、感覚への集中が弱まるため、できるだけ直立した状態で行うのが理想です。
エクササイズは、顎に痛みや抵抗が生じない程度に、少しずつ丁寧に行うことが大切です。このとき、身体に意識を集中させることで、眠気やあくびが出そうになることがありますが、これらは解離反応や集中力の低下によるものです。こうした反応が出たときは、それを我慢しながら続けることで、次第に集中力を維持できるようになります。
エクササイズを何度も繰り返すことで、解離反応や集中力の低下は徐々に消え、身体と心の連続した変化が感じられるようになるでしょう。このシンプルな動作が、日々の緊張を和らげ、身体感覚への気づきを取り戻す重要なステップとなります。
目を動かすエクササイズは、視線を自由に動かし、身体と心の緊張を解放するためのシンプルかつ効果的な手法です。まず、周囲を見渡し、目が自然に引かれる方向に意識を向けます。そして、目に入ったものについて自由に口に出して話すことで、心と体がリラックスし始めます。
このエクササイズでは、トラウマティックな場面と安全な場面のイメージを交互に行き来しながら、感情の緊張と緩和を繰り返します。特に、強い緊張を感じる方向に視線を動かすことで、その緊張をゆっくりと解いていきます。このプロセスを繰り返すことで、表情筋が緩み、チックや身体の不随意な動きといった症状が次第に軽減されます。
目を動かすことは、一見単純ですが、身体の緊張を解放し、トラウマやストレスによる影響を軽減する重要な一歩です。このエクササイズを日常的に取り入れることで、心身ともにリラックスし、より落ち着いた状態を取り戻すことができるでしょう。
シンギングボウルは、チベットの伝統医療として何千年も受け継がれてきた強力な癒しの道具です。その音や波動は、単に身体の病理を取り除くだけでなく、心と身体の波長を整える役割を果たします。シンギングボウルから発せられる音の振動は、頭から身体の深部にまで浸透し、気分の落ち込みや鬱などの症状を和らげる治療法として広く知られています。
この療法において重要なのは、音と波動が身体に与える影響です。ネパールの鍛冶屋が鈴を溶かし、手作りで器を作る過程で生まれる音には、それぞれ異なる効能があります。シンギングボウルの音色が、まるで体内の波動を調整するかのように、心身に深いリラクゼーションをもたらします。音の波が身体に触れるたびに、緊張が和らぎ、エネルギーが回復していくのです。
お香の香りに包まれながら、シンギングボウルの波動を感じ、口の開け閉めを使った瞑想を行うと、脳や身体がまるでマッサージされているような心地良さを感じることができます。このプロセスを通じて、トラウマによる麻痺症状が徐々に解消され、痛みや疲労、違和感、圧迫感といった身体の異変に気づくようになります。
痛みや凝り固まった部分に意識を集中させ続けることで、体内では震えや揺れ、熱、ビリビリ感、鳥肌、寒気といった反応が現れ、身体が内側からストレッチされるように解放されていきます。このアプローチは、心身の緊張を解きほぐし、トラウマによるエネルギーの滞りを少しずつ解放する助けとなります。
自分の身体内部で起こる動きをただ感じるだけで、脳や心臓、手足に流れる血液のリズムがはっきりと分かるようになり、内臓や筋肉の感覚を取り戻すことができます。このプロセスは、身体にとって新しい経験となり、気の流れが整うとともに、人間本来の**収縮(緊張)と拡張(リラックス)**のリズムが自然に蘇ります。
身体が本来のリズムを取り戻すことで、生きるモチベーションが高まり、身体の自然治癒力が促進されます。この余韻は、心身をリフレッシュさせ、健康と活力を引き出す鍵となります。
トラウマケア専門こころのえ相談室
更新:2019-10-11
論考 井上陽平
シンギングボウルの共鳴音。川のせせらぎと夜の虫の自然音を加え、絶妙な調和が生まれています!
また、全7チャクラのセットというコンセプトもあり、大小のボウルが奏でる倍音の波動で、究極に癒される美しい音を体感していただければ幸いです。
睡眠用、寝る前、自律神経を整えるための用途にも…
Tibetan Singing Bowls - Chakra Set C# Earth Tone
https://soundcloud.com/sonic-yogi/sin...
クリエイティブコモンズ3.0
https://creativecommons.org/licenses/...