当相談室は、複雑性PTSD、解離性障害、トラウマベースのパーソナリティ障害、発達障害、離人症/現実感喪失、うつ病、摂食障害、心身症といった、心的外傷に起因するさまざまな症状の回復に特化したカウンセリングルームです。これらの症状は、日常生活や人間関係に大きな影響をもたらすことが多く、個人だけでなく、家族や恋人にも負担を与えることがあります。
当相談室の目的は、このような症状を持つ方々の心の傷を癒すため、そして彼らが再び社会で豊かな人生を歩むためのサポートをすることです。また、トラウマを持つ方と接する家族や恋人も、その困難さを共有しています。彼らの感じる苦しみや不安にも寄り添いたいと考えています。心的外傷は個人の問題だけでなく、家族や大切な人々の間にも影響を及ぼすものです。そのため、ここでは家族や恋人も含めたカウンセリングを提供しています。
当相談室にお越しになられる方々は、家庭環境や人間関係、さらには社会全体の複雑な問題によって心に深い傷を負ってしまっています。しかし、私たちは専門的な知識と技術を持っていますので、それらの傷を少しずつ癒していくお手伝いをさせていただきます。カウンセリングルームでは、堅苦しくなく、暖かい雰囲気で皆様をお迎えしています。まるで友人との会話のように、心の奥底にある想いや悩みを遠慮なくお話しいただける場所としています。
『こころのえ』相談室では、伝統的な心理療法とは一線を画した独自のアプローチを採用しています。当相談室では、心と身体の関連性を深く理解し、それを基盤とした治療法を展開しています。治療の場はプレイフルで開放的、しかし同時に安全かつ安心できる環境を目指しています。
カウンセリングは、単に話をするだけではなく、対話を通じて一人ひとりの心の動きを深く探るものです。オーダーメイド式のカウンセリングは、その人その人の個性や背景に合わせて調整され、最新の脳科学や神経科学を基にした手法を取り入れています。当相談室の目的は、心の中の深い部分へとアクセスし、愛着や社会交流システムを活性化することで、クライエントが本来の自分を取り戻す手助けをすることです。
さらに、多様な技法を組み合わせて使用しています。NASAアメリカ航空宇宙局で実践されているソマティックエクスペリエンス(SE)や、マインドフルネス瞑想、そして無意識との対話を大切にする精神分析的自由連想法。また、人類の古代の知恵を取り入れたアクティブイマジネーションも活用しています。治療の初めには、基本的な呼吸法や安心感を呼び起こす記憶を中心に取り扱いますが、ヨガや瞑想の実践は心と身体のバランスを整えるための強力なツールとして導入しています。
特にトラウマと身体性の関係に重点を置くことで、通常の心理療法ではなかなか到達困難な心の領域にもアクセスすることができます。クライエントの心の傷を癒すだけでなく、その傷を乗り越えてさらに成長する手助けをしたいと願っています。
人間は、日常のささやかな瞬間や大きな出来事を通じて、喜びや楽しみ、幸福といった感情を体験します。これらのポジティブな感情は、脳を活性化させ、私たちの身体や心にエネルギーをもたらします。しかし、生きている中で避けられない逆境やトラウマに遭遇することがあります。特に、子どもの頃から継続的にトラウマや困難な状況にさらされると、心の健康が徐々に侵されてしまいます。
このような長期的なトラウマの経験は、楽しみや喜びといった感覚を薄くし、現実との繋がりを感じることが難しくなることがあります。そして、時間が経過するとこれらの精神的なダメージは身体にも現れるようになります。心臓病、がん、自己免疫疾患、線維筋痛症、うつ病などの病気が発症しやすくなり、生活の質が大きく低下することがあります。さらに、これらの症状は人間関係にも影響を及ぼし、他者とのコミュニケーションや恋愛、家族との関係、子育てにおいても一定の問題が繰り返し生じる可能性が高まります。
当相談室では、幅広いトラウマの背景とそれに伴う問題を取り扱っています。児童虐待、親子や夫婦間の対立、性的暴力、いじめ、離婚、家庭内の暴力、職場でのハラスメント、頻繁な転居、不登校や引きこもり、性的マイノリティに関する問題、自然災害や事故、医療ミス、そして出生や母胎内でのトラウマまで、多岐にわたる問題をサポートしています。
当相談室の目標は、これらのトラウマに苦しむ方々やその家族をサポートし、再び日常の暮らしを楽しめるようにすることです。私たちは被害を受けた方々の立場に立ち、真心で寄り添います。トップダウンの一方的な支援ではなく、ボトムアップ型のアプローチを採用して、一人ひとりの声を大切にし、一緒に前に進む道を見つけていきます。
治療の過程は、まずは患者様の意識的な思考や感情を探ることから始めます。トラウマを抱える方々は、外見上は健常であることが多く、しかし心の内側には深い傷を持っています。これらの傷は目に見えないため、周囲の人々に理解されず、多くの場合、孤独に押しつぶされる感覚を抱えて生きてきました。心の中で感じる痛みや葛藤を隠し、真実の感情を表現しない生活は、精神的な負担を増大させ、人生を辛く、時に耐え難いものとして感じさせます。そのため、治療の初めの段階で、自分の本当の気持ちや感じる痛みを正直に表現する環境を築きます。トラウマの回想は困難であるため、安心感を持つ記憶や美しい瞬間に焦点を当て、身体感覚の変化を共有することで心のバランスを取り戻す努力をします。
次のステップは、患者様の無意識の深層を探ることです。身体感覚の中に意識を集中させることで、身体の中に潜む緊張や痛みを明らかにします。イエス・キリストが十字架上で受けた痛みのように、身体の深い痛みと直面することで、その感覚を理解し、受け入れる旅を始めます。この過程で、幼少期の懐かしい記憶や美しい景色といった無意識の中に眠る思い出が再び蘇ることがあります。これらの思い出と痛みの間で揺れ動くことで、内的なバランスを探し求めます。
トラウマの解放は、その恐怖や痛みを完全に理解し、経験することから始まります。過去の辛い出来事と向き合い、その感情を全て受け入れることで、トラウマは少しずつ解消されていきます。この過程を経ることで、魂が再び身体に帰還し、心と身体が繋がる感覚を取り戻すことができます。この治療の最終目的は、外界との関係を築きながら、内なる感覚にも耳を傾け、二つの視点から世界を見ることができるようになることです。
治療の過程において、身体の長年にわたる緊張や硬直が少しずつ緩和されることで、人は自らの持つ驚異的な自然治癒力を取り戻し始めます。この治癒力は、体質の変化や心身の調和をもたらし、本来の健やかな状態へと導いてくれます。結果として、かつての苦しみや制約を乗り越え、日常生活を穏やかに、心地よく過ごすことができるように変わっていきます。
さらに、治療の中で問題の根源となる不安や恐怖、心の深層に潜む痛みを総括的に探求することは、生活の中での困難や症状、持続する悩みを大きく軽減させる鍵となります。中には、絶望的な現実に取り囲まれ、「生きているのに死んでいるような」孤独や虚しさを感じている方もいらっしゃいます。そのような深い痛みの中で、怒りや感受性の高まりに気づき、それらの感情を正直に表現することは、自らの心の奥底にある真実の悲しみと向き合う第一歩です。その感情をセラピストと共有し、真摯に受け止められることで、自分の中から思いやりや温かさという感情の泉が自然と湧き上がります。心の中の感情や顔の表情が、その結果として変容していくのです。
このような心の浄化と再生のセッションを経験することで、心は日々安定し、平和へと向かいます。そして、自分の人生の物語に新しい章を加え、過去の痛みやトラウマを乗り越え、新たな人生の意味や目的を見出していくことが可能となります。